北陸新幹線開業に沸く古都・金沢…で、観光客が四季を問わず訪れるのが、兼六園!ですよね。岡山市の後楽園と水戸市の偕楽園と並んで、日本三名園の一つとしてその名を轟かせ、1922年に国の名勝、1985年には国の特別名勝に指定されている、由緒正しき庭園でございます。
ウンチクめいたことでいえば、17世紀中期、加賀藩により金沢城の外郭に造営された藩庭を起源とする江戸時代を代表する池泉回遊式庭園というのが、この兼六園。
そう!“池”を中心にデザインされた庭というからには、“橋”はマストアイテム。
実際、愛本の橋、板橋、黄門橋、汐見橋、千歳橋、月見橋、虹橋、花見橋、日暮橋、雪見橋…と美しいお名前をお持ちの橋がたくさん、庭園を彩る風景の一部として君臨しております。
その中で、今回、特筆したいのが「雁行橋」なのです。
七福神山から少し下流の曲水に架かる、11枚の赤戸室石をつなげた切石橋。その名は、夕空に雁が列をなして飛んでいるように見えることに由来しています。その上、一枚一枚の石の形が亀の甲羅のような形から「亀甲橋」という別名があります。
実は…この別名が仇となって(!?)、「通行」という目的においては、この橋に悲劇が訪れます…。
亀といえば「万年生きる」という長寿のシンボル。その亀にちなんでこの橋を渡れば長生きできると言い伝えられ、たくさんの、たくさんの人が長寿を願いこの橋を渡ったのでした。その結果、激しい傷みに耐え切れなくなった橋は、残念なことに通行止めになってしまったのです。
渡れないのは残念ですが、観賞だけでも十分に美しい橋です。
地元の人は「かりがねばし」と親しみをこめて呼び、いまだに人気の橋であることには変わりないようです。
ちなみに…江戸時代といえば、「早起きは三文の徳(得)」という諺がありますが、兼六園が早朝無料開放を行っているのはご存知ですか?
季節によって開放時間は変動しますが、有料となる8時の15分前までに退園するという条件をクリアすればOK!開門は蓮池門口・随身坂口のみと限定されますが、早起きが得意な方には三文以上(入園料310円)お得です!!