ジュラシック・ワールド

juwa002.jpg恐竜を現代によみがえらせ、CG時代の先駆けとして観客の度肝を抜いた『ジュラシック・パーク』(1993)。あれから22年、当時は監督を務めたスピルバーグが本作では製作総指揮として、遂に待ちに待った『ジュラシック・ワールド』がオープン! より一層現代的に進化した魅惑のテーマパークへようこそ。

コスタリカ沖に建設された高級リゾート、ジュラシック・ワールド。恐竜たちはまるで動物園の動物のように大人しく、子どもたちがエサをあげたり、恐竜に乗ってみたりできる、いわば「ふれあい恐竜園」だ。そんなジュラシック・ワールドを取り仕切る女性社員のもとに、夏休みを利用して甥っ子たち2人が遊びに来る。業務多忙でそれどころでない彼女は彼らの子守りを別の社員に任せ、遺伝子組み換え恐竜の研究に没頭するが……。

juwa001.jpg22年。そうか、あれからもう22年になるのか。筆者は『ジュラシック・パーク』を父親と観に行った記憶がある。当時からすれば、恐らく今観ても遜色がないほど恐竜たちがスクリーンから飛びだしてくるかのようにリアルで、率直に驚いたものだ。そしてこの22年の間にVFX技術は目覚ましい進歩を遂げ、本作では恐竜たちのリアルさに思わず息を飲む。高級リゾートという設定ならではの皮肉めいた現代的アレンジも豊富で、まるで本物のテーマパークに入場しているかのような気分を楽しめる。

『ターミネーター』や『マッドマックス』シリーズなど、昨今は往年の大作のリメイク作が多い。新作で冒険をするよりも確実な集客で利益をあげたいとのハリウッドの思惑であり、そうしたリメイクブームを批判する向きもあるにはある。だが、もし仮に自分自身が当時の作品に携わった者だったとして、以前よりも目を見張るほどCG技術が進歩したこの現状を前に、何もせずにいられるだろうか? イマジネーションの制約なく思い通りの作品を作ることができるこの状況に、ただ指をくわえているだけでいられるだろうか? 答えはノーだろう。本作は、スピルバーグという一人の“オトナ子ども”の夢と希望がふんだんに盛り込まれた、巨大なおもちゃ箱なのだ。

作品自体にグロ要素はまったくなく、会話の端々にユーモアが散りばめられているので、大人から子どもまで家族全員で安心して楽しめる。せっかくのリアルな恐竜ワールドなのだから、ぜひ大劇場の3Dでお楽しみいただきたい。

監督:コリン・トレボロウ
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、トーマス・タル
脚本:リック・ジャッファ&アマンダ・シルヴァーandデレク・コノリー&コリン・トレボロウ
ストーリー:リック・ジャッファ & アマンダ・シルヴァー
キャラクター原案:マイケル・クライトン
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ヴィンセント・ドノフリオ、タイ・シンプキンス、ニック・ロビンソン、オマール・シー、B・D・ウォン、イルファーン・カーン
配給:東宝東和
公開: 8月5日(水)全国ロードショー(IMAX 3Dは8/7より上映)
公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/