今回は、7月13日（木）から9月23日（月・祝）まで東京・日本橋で開催されている『アートアクアリウム』にて「もみじ（岩崎潤）」さんに、カメラとの出会いからカメラとレンズの魅力について話を聞いた。
うらら：カメラとの出会いを教えてください!!
もみじ：いちばん最初に使ったカメラは4×5だったんですよ。フィルム会社での仕事の中で、映画用のフィルム（缶に入っている状態）の物撮りを依頼されて、そこからのスタートでしたね。映画会社から指定されたのが4×5のフィルム。35mmや6×7での撮影はNGだったんです。年齢がバレますね（笑）。このカメラを使っていたのは19歳の時でした。
データをチェックしながら動画の撮影中（アートアクアリウム会場にて） うらら：それまでは？
もみじ：タレントです！
うらら：え、タレントですか??
もみじ：はい、CMに出演していました。大手飲料メーカーや家電など、いろいろと出演させていただきました。CMタレントですね。
うらら：撮影される側だったんですね〜。それが、撮る側に……？
もみじ：そのタレント事務所がつぶれてしまったんですよ〜。広告代理店だった叔父にカメラマンを紹介していただいたのですが、それが今の師匠です。
うらら：どのくらいの間アシスタントを？
もみじ：今でも……。
うらら：今でも？
もみじ：呼ばれれば……。
モデルさんを起用しての動画の撮影（アートアクアリウム会場にて） うらら：現在、フリーで活動されているのでは？
もみじ：独立してても呼ばれます（笑）。今でもアシスタントもしますし、フィルムの現像もします。RAWデータを現像したりも……。話を戻しますと、4×5のカメラを使っていましたが、カメラマンになるには自分のカメラを持っていたほうが良いだろうということで、35mmのオリンパスのカメラを師匠からいただきました。機種はちょつと忘れてしまいましたね〜。マニュアルのカメラでした。レンズの機能性やピントの合わせ方、一本のフィルム36枚の中でひとつの仕事をどういう割合で撮影するかなど勉強しました。
それからカメラはキヤノンに……。なんだったかなぁ〜？ 同じ機種を3台使っていましたけど、思い出せない（笑）。当時はクラブ・イベントの撮影をしていましたので、アルコールがカメラにかかってしまって壊れることが多かったですね。なので壊れても良いように安価なカメラを複数台持っていました。
モデルさんを起用しての動画の撮影（アートアクアリウム会場にて）
『Art Aquarium TV』の模様はこちら うらら：それでは、もみじさんのお気に入りのカメラとレンズを教えてください！
もみじ：その後、デジタルの時代になり、Canon EOS D30から始まって、EOS D60、EOS 60D、EOS 7D、そして現在使用中のEOS 5D Mark IIIがお気に入りのカメラになります。サブ機としてEOS-1Ds Mark IIを使ってます。発売当時は80万円くらいしたんですよ。バッテリーの持ちが悪いので今ではサブ機になってます。
うらら：今、使われているCanon EOS 5D Mark IIIを選ばれた理由は？
もみじ：暗い場所でも綺麗に撮影できるところですね。また、黒からグレーへと暗闇を演出することができる。そこが魅力ですね。このEOS 5D Mark IIIが、暗闇を演出するためにはいちばん適したカメラだと思います。
Canon EF50mm F2.5コンパクトマクロ もみじ：レンズは、Canon EF50mm F2.5コンパクトマクロです。ズームレンズを付けている方が多いと思いますけど、僕の場合はずっと花や水生動物を撮影していますので……。
うらら：水生動物、ですか？
もみじ：ヤモリ、イモリ、金魚、熱帯魚、淡水魚、海水魚、蟹、エビ、どじょう……。そんな水生動物や花の撮影の中でもマクロの世界が大好きですね。
もう１本は、Canon EF85mm F1.2L II USM。ズームレンズは使い勝手が良いですが、そこを単焦点レンズを選んでいます。デジタルカメラはピントが難しいのですが、自分の見せたい部分を思いっきり表現できます。85mmは被写体との距離感やタイミングを掴みやすいので好きなんです。出来る限り明るいレンズを求めてしまうとコストが高くなってしまうんですけどね。これからも美しいものを追求したいですね。
うらら：もみじさんに肩書きを付けるとしたら？
もみじ：「金魚カメラマン」です。写真家ではないですね〜。でも、その他にモデル・タレント業、イタリアンレストランのシェフ、料理のポスターなどのデレクションもしていましたね。
うらら：イタリアンレストランのポスターの撮影は自分ではされなかったんですか？
もみじ：撮影はしません。外注します（笑）。料理を作って盛りつけまでちゃんとやりたいので……。あと、企業と企業の橋渡し的な仕事もしていましたね。
うらら：コーディネータのような仕事ですかね？
もみじ：そこまで、カッコイイものではないかな（笑）。カメラマンをしていると、メイクさんやスタイリストさんの手配をしたりしますよね。その後、人生の危機を感じて不動産に手をつけました（笑）。今はアクセサリー屋さんを始め、店舗展開やWEBページをがんばって作っているところです。生きていくにはやっぱり物販が大切なので、小売業、消耗品の販売、永遠に続く不動産業、この三種の神器を手にして一生暮らしていこうかなと思います（笑）。今、がんばっています。
会場で記念写真を求められるほどの人気（アートアクアリウム会場にて）
うらら：もみじ（女装カメラマン）さんになられたきっかけは？
もみじ：第1回『アートアクアリウム』の後半に、※かえでさんとスタッフの話の中で「金魚の写真を撮らせていただいたし、なにか僕にできることはないかなぁ〜？ お祝いのようなパーティをしたい」と相談したときに、かえでさんから「じゃあ、女装すればイイじゃん」って言われて……。「いつする？」、「じゃあ来週！」という展開になったんですよ。「私が"かえで"だから、あなたは"もみじ"でいいじゃん」みたいな感じで名前が決まりました（笑）。
※龍 Kaede（りゅう かえで）＝ビューティークリエイター/ドラァグクィーン
時計ブランドFACEAWARD、コスメのPRやメイク・ファッションなどビューティークリエイターとして活躍。その他に司会やタレント、東京コレクションにモデルとしても出演。
★龍 Kaedeさんよりメッセージ
毎週土曜日のナイトアクアリウム（19時〜23時30分）にいます。よかったら遊びにいらしてね！
龍 Kaedeさんとツーショット
うらら：その時はかえでさんに衣装を借りられたんですか？
もみじ：1回目から自前でしたよ！
うらら：お持ちだったんですか？
もみじ：実はイッセイミヤケのドレスが好きで持っていたんですよ。それを着て、「コンニチワー」って（笑）。素質があったのかも？
うらら：今回の衣装は？
もみじ：これも自前です！ 今日のために買いました！ 胸のところについている金魚とバックは友達の着物を使ったアートを制作している作家さんからいただきました。
もみじさん参加のアートアクアリウム2013新オフィシャルブック＆CD発売中
うらら：人脈がすごいですね〜。
もみじ：「友達と家族をどっちを大切にするの？」と聞かれたら、友達と答えます（笑）。友達にささえられて生きてますから。もみじとしての活動は今回で大阪も含めて4回目ですね。
うらら：これからは、かえでさんの次はもみじさんというかたちで展開していかれるんですか？
もみじ：それは、恐れ多いのでかえでさんとは別路線というかたちで……。こんな格好をしたカメラマンが金魚の写真を撮っているといった感じですかね。面白いでしょっ！
＊アイアンブリストル
ブリストルはイギリス生まれの金魚です。金魚コレクションにはブリストル朱文金も。おびれがハート型なのが可愛いですよね。
canon EOS 5D markIII EF50mm compact macro 1/320 2.5 ISO5000 
＊らんちゅう
金魚の王様。愛好家の方もたくさんいらっしゃいます。
canon EOS 5D markIII EF50mm compact macro 1/320 4.0 ISO5000 
＊地金
愛知の天然記念物 六鱗とも言われ口、各ヒレが赤く、孔雀尾と言われる尾びれを持ちます。
canon EOS 5D markIII EF50mm compact macro 1/200 5.6 ISO3600 
＊東錦
オランダ獅子頭のキャリコ柄の品種です。今回キモノリウムの着物の柄にもなっていますよ。
canon EOS 7D 24-70 f2.8L USM 1/200 3.5 ISO800 
アートアクアリウム2013新作品大奥 
アートアクアリウムBARコーナーにてオリジナルカクテル『さくら錦』をいただく
プロフィール
もみじ／岩崎潤（Momiji/Jun Iwasaki）
旭化成キャンペーンモデルを始め、文化庁映画祭のカメラマン。BS日テレP☆leagueのオフィシャルカメラマンとしても活動中。
★お知らせ
イベント：ECO EDO 日本橋 ダイナースクラブ アートアクアリウム 2013〜江戸・金魚の涼〜&ナイトアクアリウム
開催：7月13日（土）〜9月23日（月・祝）11:00〜23:30
場所：日本橋三井ホール
詳細は、ホームページをご覧ください。
http://h-i-d.co.jp/art/
