本作『ゴースト・フライト407便』は、2012年3月にタイで公開されるや『ハンガー・ゲーム 』級のメガヒットを記録。その後も香港や台湾をはじめ、インドネシアやマレーシアなどでもスマッシュ・ヒットを記録。アジア各国を次々と恐怖のドン底に陥れた絶叫アトラクション・ホラーが、ついに日本に上陸する。
バンコクからプーケットに向けて出発した、サンセット航空407便。そこには老若男女の乗客が搭乗しており、各々のドラマが展開していた。一方、この便には10年前の新人時代、フライト中に幻覚を見てしまったことで、長期休職を余儀なくさせられていたCAのネウ(マーシャ・ワタナパーニット)が搭乗していた。だが、この旅は死に向かうフライトだった。悪霊を呼び起こしながら飛び続ける、恐怖のフライトの行く末は……?
監督のイサラー・ナーディーは、世界一怖いホラー映画を目指すため、本作の脚本を手がけるコンギアット・コムシリらと7人組監督ユニット“Ronin Team(ローニンチーム)”を結成。黒魔術の恐怖を描き、大ヒットを記録した『アート・オブ・デビル (サニット・ジトヌクル監督)』の続編になる『アート・オブ・デビル2』『アート・オブ・デビル3』を製作し、そのコアな描写が話題となっていた。本作は、そんなホラー畑の彼にとっての初単独監督作なのだ。
日本のサバイバル系の映画では、出演している俳優のレベルで、誰が最初に消され、誰が生き残るか?が物語を観る前におおよそ検討がついてしまう。余談ながら先日、観賞した映画では見事にすべてを当ててしまったものだが、タイで制作されたこの作品だけに、タイの映画についてほとんど知識のない私を含む日本人にとっては、誰が最初に消され、誰が生き残るか?がまったく予想がつかず(主人公はのぞいて……)、ドキドキ度は高まるばかりだ!
前半部分、ゴーストが現れて乗客を恐怖に落し入れるシーンでは、お国柄の違いか首を傾げる部分がないではない。しかし、なかなか犠牲者が出ないまま、物語はそれぞれの乗客の抱える悩みを中心にしたヒューマンドラマになっていく。えっ! このままなのか? そう思いきや、後半は怒濤のサバイバル&ホラーの血しぶきシーンへと突入! ホラー全開にこの手のマニアも納得の作品だ。いや、日本、ハリウッド系のホラーを観つくしたマニアには、ある意味新鮮かもしれない。とにかく突っ走るこのなんともいえない感じが心をくすぐる。
飛行機という密室の空間で起こる恐怖、それはゴーストとの闘いではなく自分自身の恐怖心と勇気との闘いなんだ……なんて多少のメッセージもあるが、とにかく目の前のビジュアルだ!
空とぶお化け屋敷。あなたも乗りませんか?
監督:イサラー・ナーディー
出演:マーシャ・ワタナパーニット/ピーター・ナイト ほか
提供:カラーズエンターテインメント
配給:株式会社 彩プロ
公開:2月23日(土)、シネマート新宿ほか全国順次公開
公式HP:http:// ghostflight407.ayapro.ne.jp/
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