第70回 洋楽編 Susanna Hoffs――16年ぶりでも変わらなすぎる魅力、スザンナよアナタこそ”Eternal Flame”だ

ここしばらくはロック映画を紹介してきましたが、今回は久々にアーティストの紹介をしましょうかね。1月になんと16年ぶりのソロアルバム を発表したスザンナ・ホフスです! ……スザンナが新しいアルバムを出したからといって、本国アメリカはまだしも、今の日本じゃそれほど話題にならないんだろうな……なんて、ちょっと寂しい考えも頭によぎりましたが、セールスなんぞは関係なく取り上げるのがこの音楽総研ですからね! はりきっていきますよう。


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スザンナ・ホフスと聞いても、今となってはピンと来ない人が多いんでしょうかねえ。でも、メンバーが全員女性のバンド、THE BANGLESのリードシンガーだと聞くと、ああ! となる人も多いのでは。まだピンと来ない? じゃあ、バングルスだとどう? 思い出した? バングルスって、”THE”が付いてたイメージないし、アメリカのバンドなのに、なぜだかカタカナでバングルス、と書いほうがしっくりとくるね(笑)。さて、そのバングルスは84年にメジャーデビュー、86年に発表したセカンドアルバム から、『Manic Monday』、『Walk Like An Egyptian』が、それぞれ全米2位と1位を獲得した大人気のバンドでした。俺が彼女たちの存在を知ったのもこのころで、特にManic Mondayが好きだったなあ。この曲、実はプリンスが別名義で提供した曲で、それを知ったときはびっくりしたのと同時に、妙に納得したのを覚えています。「そういえばプリンスっぽい!」って。

バングルスは、キャッチーでどこか懐かしさを覚える曲調と、女性のバンドにしては低めのキーで歌われるメロディや、メンバー全員のハーモニーが特徴的なバンドでしたよね。女性のキンキンした高い声があんまり好みじゃない俺は、彼女たちのやわらかい歌声をとても気に入っていました。でもね、スザンナ以外のメンバーも交代でリードヴォーカルを取るんだけど、歌声もキャラクターもスザンナが飛び抜けて華があって……印象に残っているのはスザンナ・ホフス、って人は俺だけじゃないんじゃないかなあ。他のメンバーには申し訳ないけど、名前もフルネームで思い出せないし……。で、さらに告白すると、俺はスザンナみたいなラテン系っぽい美女にめっぽう弱くて(苦笑)。まあ、そんなわけでスザンナ贔屓の文章になるのは勘弁してくださいな。

バングルスは88年に『Eternal Flame 』という大名曲を発表し、全米全英ともに1位を獲得したあと、しばらくして解散しました。その後のスザンナ以外のメンバーの活動はあまり聞こえてこなかったけど、スザンナはまず91年にソロアルバム を発表。残念ながらバングルスほどは売れなかったけど、音楽はセールスがすべてじゃないのよ(活動を続けていくにはセールスは大きな問題だろうけど)。このアルバムは内容が非常に素晴らしかった。正直言って、バングルスとさほど大きな違いはないんだけど、バングルス時代よりもさらにメロディがよく練られていて、楽曲の完成度が高い(オリジナルだけでなく、シンディ・ローパーや、デイヴィッド・ボウイ のカヴァーも素晴らしい!)。まあ、ガレージロック的な魅力もあったバングルスに比べると、ロックテイストは皆無と言っていいほどだから、その辺に不満がある人もいるかもしれませんが、バングルス時代よりもさらに堂々としたパフォーマンスを聴かせてくれます。

そして、バングルス時代にはあんまり感じられなかったセクシーさも前面に……向こうの女性アーティストって、日本と比べてセクシーさを売りにする度合いが高い気がするなあ。もちろんそういうのも嫌いではないけど(笑)、きわどい歌詞があったりしてね、あんまりそっちにフォーカスされると嫌悪感も出てきちゃう。売りがそれしかないのか、と。スザンナは当然、歌声や楽曲そのものが魅力的なわけで、そんな必要はなく、大人の女性としての自然な変化だと思うんだけどね。まあそれほど強調していたわけでもないし……なので、歓迎すべき変化でした(笑)。

さて、そんな(?)スザンナが16年ぶりに突然ソロアルバムを発表するということで、発売前にHPを見てみたら、声は全然変わってないわ、若いころと変わらないぐらいキレイだわ……で、嬉しい驚きでした。バングルスの他のメンバーは年相応って感じのルックスなんだけど、スザンナはびっくりするぐらい若くて、54歳にはとても見えない。音楽性もね(試聴出来た曲だけだけど)、少しアダルトになった印象は受けるものの、彼女らしいポジティヴさと懐かしさを感じるメロディは健在! バングルスでもソロでもいいから来日してくれないかなあ。ライヴ観てみたい。キレイなんだろうなあ。色っぽいんだろうなあ……。あ、いや、もちろん見た目より音を重視してますよ! 変わらぬ魅力的な歌声を期待しております。ほんとだってば。


新アルバムにも当然収録の新曲「Picture Me」


22年前のシンディ・ローパーのカヴァー。見た目に大きな差なし……

※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
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