料理研究家・林幸子『蕎麦の会』手打ち蕎麦の味は、絶妙で絶品!in食・酒・音『箱庭』

hayasi01.jpg料理研究家・林幸子さんがコース仕立てで振る舞う『蕎麦の会』が4月28日(土)、中目黒のフードスタイリスト・川崎万里さんがプロデュースする、「食・酒・音『箱庭』」で行なわれた。

hayasi02.jpg「今日は春をテーマに、なかなか手に入らない食材を中心にメニューを作りました。ほたるいか、筍、豌豆など、食べながら季節を感じていただけると思います。『蕎麦の会』ということで、日本酒が呑みたくなるというところもポイントですね。また、出汁巻卵、蕎麦がきなど定番のメニューも用意いたしました」と林さんは今回のコンセプトについて語った。
『蕎麦の会』終了後には、今回のイベントについて「調理場とお客さんの席が対面式だったので、焼売のようにその場で作らないといけないメニューもお客さんとおしゃべりをしながら楽しくできました。蕎麦がきは、お客さんが見ていると思うと、あの肉体労働もがんばってできましたね。今日は私の方が楽しませていただきました」とコメントした。

hayasi03.jpgそれでは、今回のメニューについて紹介いただきましょう。まずは、お話しにでました蕎麦がきから……。

■蕎麦がき
蕎麦がきは、練り込むとほどに口どけが良くなります。蕎麦にはでんぷんがたくさん含まれており、時間をかけて練り上げることで、のり状になります。
■海苔の塩佃煮
桑名方面の海苔を使っています。
■煮干のマリネ
煮干しをオリーブオイルに漬けました。
■京筍姫皮の梅肉和え
京都の筍を取り寄せました。その姫皮を使用し梅肉で和えました。梅肉は私が5年をほどねかした梅を裏ごしして作りました。
■豌豆羹
和歌山産のうすい豌豆を使用しました。実入りの良い完熟した豌豆です。味付けは塩味のみで出汁などは使っていません。
■出汁巻卵
■人参胡麻酢和え
京都の玉姫酢と練り胡麻だけを使っています。それだけで、しっかりとした味があります。

hayasi04.jpg■岩茸とほたるいかの酢味噌和え
岩茸は断崖絶壁に着生しています。茸といってますが、コケの一種です。岸壁からガリガリと剥ぎ取って、そこから一枚一枚丁寧に土をおとしたりと手間が大変なので、あまりお店に出回ることのない、珍しい食材です。酢味噌は京都の白味噌です。普通、白味噌といっても黄色がかっていますけど、これは真っ白な本当の白味噌です。
■明石浜ゆでだこのねぎマリネ
関西人の私は、たこといえば明石。獲ったらすぐに浜で茹でているので鮮度がすごく良いたこなんですよ。それをねぎの風味でマリネにしています。
■天然ぜんまいの煮物
ぜんまいは噛みごたえのある、シコシコとした食感です。そこが天然ものの特長ですね。
■天然明石鯛かよう亭昆布ちらし
■筍焼売
筍の根元の部分を擦りおろして加えています。
■若竹蕎麦
色の上品な柔らかい筍と蕎麦は「挽きぐるみ」といって玄蕎麦、ぬき実を丸ごと使っています。福井の在来種です。今回は、太麺と細麺の2種類を用意しました。
■せいろ
せいろの蕎麦は茨城の「常陸秋そば」を使っています。蕎麦独特の香りと甘みがあります。
■名残桜のロールケーキ

hayasi05.jpg(撮影/中村うらら)

hayasi06.jpg◎林幸子
兵庫県生まれ。
料理研究家、フード・コーディネーター、栄養士、日本茶アドバイザー、雑穀エキスパート。
料理教室『アトリエ・グー』主宰。
大手食品会社で料理開発に携わった後、独立しフリーランスに。
和食、洋食、中国料理、エスニック料理、製菓……といった各ジャンルの基本をしっかり抑えつつ、創造性豊かなレシピを次々と考案。食材の新たな魅力を引き出す魔術師的な存在を確立したことで、マスコミからの注目を集めている。今日に至るまで数々の雑誌、TV、著作本にてバラエティに富む料理を紹介。

hayasi07.jpg◎箱庭■食・酒・音
フードスタイリスト川崎万里プロデュース/食・酒・音のここちよい空間
■住所/目黒区上目黒3―3―6尾留川ビル4F
■営業時間 18:00〜25:00 日曜&月曜定休
■電話/03-5773-1073
■ホームページ/http://ameblo.jp/hakoniwa-nakameguro/

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