1ページ開いたが最後、はまること請け合い。サスペンス好き、ことに「警察もん好き」にはたまらない。 かといって、シリアスでもなくヘビーでもない。
目を覆う血腥(ちなまぐさ)さや鼻を衝く硝煙臭も押しつけがましくもリアルでもなく、むしろスタイリスティックかつ洗練された都会的センスさえ感じさせる。
恐ろしく速いフレージング&テンポで息つく間もないぐらい読み進められる。読み終わったことが残念でたまらなくなるから、前もって次の同著者作品を買い揃えておくのが得策だろう。
比較的早い時点から、ある種カラクリや結末が透けて見えたりするあたり、上手く読者に優越感を与えておいて、それでもって襟ったまをしっかり掴まえてぐいぐい引っ張っていくなどリーダーズ・リーディングは相当なものだ。
読後は極めて爽やか。心地よい「納得」を得る。サスペンス作者の読者サービスの真骨頂なのかもしれない。
そーねー「同期」ってやっぱり、スペシャルよね〜。
ちなみに私、読み始めるや否や「amazon検索」に走り、数十冊注文をかけた。もちろん次に手にとるのは我が「渋谷」が舞台の「渋谷署強行犯係 」シリーズ。
当分「今野漁り」が続くな〜。
作者名:今野 敏
ジャンル:警察サスペンス
出版:講談社