ウッドマン渋谷店――桜丘に奏でられる”ギター愛”

「若者の街だから」などと括るのはたいそう安易ではあるが、渋谷というのは「音楽の街」でもあると思う。道玄坂やセンター街の周辺にはライブハウスや楽器屋さんなどが立ち並んでいる。

「そうですね。私もこの仕事を始めた当時はセンター街にある大手の楽器屋さんにおりました。そこで、いまこのお店の社長と一緒に働いておりまして、社長が先に独立してお茶の水にお店を出し、私も渋谷店が開店する08年の2月17日に合わせて入社、店長としてやってきました」

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今回お邪魔をしているのは桜丘のギター専門店『ウッドマン渋谷店』。国道246号の歩道橋を越えた辺りから楽器店は密集し、ライブハウスも点在している桜丘は、渋谷でも有数の音楽の街だと思うのだが、このお店は密集したエリアからは少し離れた場所にある。それはですね、と教えてくれたのが迎えてくれた店長の山崎晴規さん。

「私たちが働いていた大手の楽器屋さんにはギターだけでなくいろいろな楽器がありましたが、お茶の水店も渋谷店もビンテージのギターがメインになりますので、落ち着いてギターを見られて……という場所を選んだわけですね。その点で桜丘はやはり落ち着いた街ですから。なんと言いますか、道玄坂のほうですと、高校生が大勢で来てワイワイとギターを買って帰る……そういうカラーではないだろう、と(笑)」
そうは言いつつも、中学生からギターにハマったという山崎さんも元はそんな学生のひとり。ワイワイ買いに来る学生さん、そんな例を語るその目はとても温かい。ただ、まもなく中学生になるというお子さんは「小さいギターを買っておいてあるのですが、見向きもしません(笑)」とか。まだまだこれからです(笑)。
ところでそんなお客さんの層は「ビルの上階に住んでらっしゃるお爺さんがサッと弾いて帰られるとか、カッコいいですよね。それとセルリアンタワーもあるからか、外国の観光客の方が見つけて入ってこられたり。それとお父さんに連れられた小学生のお子さんが、洋楽のナンバーをすごいうまく弾いたりしましてね」と、まるでサロンのよう。また、音楽系も充実した芸能事務所が近隣にあるためか、誰でも知っているアーティストもたまにやってくるそうです。

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取材中にやってきたお客さんが、気になる新しいパーツを付けた場合のメリットやデメリットを懇切丁寧にレクチャーする山崎さん。展示されているビンテージのギターはもちろんのこと、“ギター愛”が伝わってくる店長がいるこの空間……筆者はギターに関する知識はほぼゼロながら、不思議にもとても落ち着く一時であった。

まさに桜丘らしいギター店『ウッドマン渋谷店』。
どうもお邪魔いたしました。
今回はこの辺にして、自慢のビンテージギターを以下ご覧くださいませ。

Q・あなたにとって桜丘とは?
「いろいろな意味で発展、ビジネスと共存していく街」

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一歩店に入ればギターがところ狭しと並んでおります。入って手前のエリアがエレキギター、そこからセミ・アコースティック、フル・アコースティックと続きます。ビンテージだけでなく新品も、そして弦など各種アイテムももちろん取り揃えてありますよ

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エリック・クラプトンも見つめるショーケースの中(写真下の3枚)には、驚くべきヴィンテージ物がゴロゴロ。「たとえばこのような物が……というのを下で紹介いたしましょう!」(山崎さん)

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大事な愛機のリペアーもお任せあれ。「当店で買った物でないギターでもお気軽にお持ちください。私たちでは修理しきれないものはも、日本トップレベルのリペアー工房にお任せいたします」(山崎さん)

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1963年製造の「GIBSON ES-335 CH」はエリック・クラプトンが愛用したものと同モデル。ボディのエフホール(写真右下)が小さめだったのが、その後の量販体制で大きくなっていく前のもの。ポジションマークがドットではなくブロックなのも特徴。お値段は199万8000円(税込、以下同じ)です。「こちら、以前は300万円オーバーだったんですよ」(店員の浦野利秋さん)

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1955年製の「GIBSON LES PAUL Jr SB 1955 」。消耗するパーツに関しては、やはり年代なりに交換されているものの塗装などの味はそのままだとか。「円高還元で59万8500円は格安ではないでしょうか。50年代らしいルックスと、野太い音を楽しんでください」(山崎さん)

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「これは、多くのみなさんが写真集くらいでしか見たことないはずです」そう山崎さんが取り出してきたのは「GIBSON J-55」。1939年製のこの一本は、リペアーのあまりなされていない物であっても相当なコレクターズアイテムなのだとか。「正直、ほぼ完璧な状態でウチにあるといっても過言ではありません」、そのお値段はなんと313万9500円! 当時のオリジナルストラップ付きです

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編集部・尾崎カメラマンが注目したギター、まずは1976年製「MARTIN D-45 」。きらびやかな音は「さすがMARTINの旗艦モデル」と山崎さんを唸らせる逸品。「保管状態もいい美品です。ぜひご検討ください!」(浦野さん)というお値段は115万5000円です

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1894年創業のGIBSONによって1920年代に造られた「GIBSON L-3」。スプリクトのパールロゴは1930年代以前に製造された証です。塗装や傷などはさすがに年代を感じさせてしまうそうですが、演奏にはまったく問題なし。「渋くてカッコいいプレイになると思いますよ」(山崎さん)、こちらは26万2500円

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GRETSCHの75周年記念モデルとして1962年に製造、名前の通りの“スモークグリーン”で、市場にあまり出回っていないのがこのモデル。「同じモデルがもう一本あるのですが、こちらはネッククラックに修理があるので、お求めやすい値段になっています」(浦野さん)。15万7500円です

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最後はこちら。「DANELECTRO MODEL 5015 CONVERTIBLE」といえば、黒のモデルを「Led Zeppelin」のJimmy Pageが使用していたことで有名。「お求めやすい価格ですよ」と山崎さんが囁くお値段は6万9300円。「この値段ならフラッと来て衝動買いしかねない」という言葉に深く尾崎カメラマンが頷いておりました

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愛好家だけでなく、初心者でも心温まりそうな『ウッドマン渋谷店』。ギター愛に溢れる山崎さん(右)、浦野さん(左)が迎えてくれます

※価格、在庫状況などは変動いたしますので、詳細は必ずお店へお問い合わせください



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【今回の桜な人々】
ウッドマン渋谷店
山崎 晴規さん

〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町29-36
徳力ビルB―1(マップ

ホームページ
http://www.woodman-shibuya.jp/