“安野モヨコ”といえばマンガを連想するのが普通だと思う。
ドラマにもなった代表作『ハッピー・マニア 』、『働きマン 』、衝撃的なタイトル『脂肪と言う名の服を着て 』などなど……
現30〜40代の“女子”と呼ばれる人ならどれかしら手にした人も多いはずで、私もその中のひとり。
ただ、今回紹介するのはマンガではなくエッセイの『美人画報』。こちらから『美人画報ハイパー 』、『美人画報ワンダー 』と続く三部作は、98―03年に『VoCE 』(講談社)にて連載されたエッセイが書籍化されたもの。文章とイラストで構成された、なんとも読みやすいエッセイである。
ところで、なぜ今ごろこの本が登場したのかというと……
「わが家のわんぱくチビさんもこの夏で1歳。
やっと育児に余裕も出てきて自分に費やす時間ができた→この1年、育児優先で手を抜いていた女子力回復!! ひとまず自分の“女子”時代に読んだ本を復習して鈍った“女子”の勘を目覚めさせなくては!」
そんなわけで(笑)、久々にひっぱり出して読んだ3冊。
安野モヨコならではのテンポの軽快さはエッセイでも健在で、あっという間に読破。
ファッション・メイク……具体的な内容に若干の時差は感じるものの、“美”に対する“女子”の心意気は時代に左右されないことを再認識。
たとえば、これが手の届かないくらい美しいモデルさんのエッセイだとまったく参考にならないのだが、安野モヨコだからこそ“女子”の本音や一般人的な“美”に対する感覚に『わかる〜!!』『懐かし〜』の連続。気持ちがいいくらいの自分へのダメ出しは読んでて共感できるポイントだ。
そして“美”に向かうためならジャンルを問わず、思うがままに書き進められているのも飽き性の私にはちょうどいい。その内容は、ファッション・メイク・ダイエット・グルメ・インテリア・旅行・女子・男子……!?
とにかく、安野モヨコらしい一歩外側から眺めている感覚(どこか他人ごとのような……)が心地よい。まさに、街中で見つけた“勘違いくん”に突っ込みを入れてるかの様な……もちろん空想の中でね。
数年前の本なので、現代の感覚で読むと具体的な内容は古く感じるかもしれない。しかし、元“女子”な30〜40代、 過去にバリバリ働いて、そこそこ“美”に興味を持っていたみなさん。まだまだ諦めるのは早い! この本で少なからず、生涯現役“女子”でいるための良い刺激を受けること間違いなし!!
作者名:安野 モヨコ
ジャンル:エッセイ
出版:講談社文庫