「春分」「夏至」に20日は「穀雨」――二十四節気の謎

昨年4月21日にスタートした当コーナー、1周年を迎えることができました。ありがとうございました。次なる1年もいろいろなウンチクを探していきたいと思います。電車やゴルフにばかり寄らないようにしないといけませんかね(笑)。どうぞよろしくお願いいたします。

今回は「二十四節気」のおはなし。
 


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1周360度の黄経で15度ごとに二十四節気が登場する
※図はWikipediaより

去る4月20日は二十四節気のうちの「穀雨」だった。春の雨が多くなり、穀物の芽が伸びる時期という位置づけであり、種蒔きの季節の到来を告げる日だ。4月には5日の「清明」もあり、この日は桜などの花が咲き始める時期とされている。
ほかにもおなじみ「春分」や「秋分」、「夏至」に「冬至」に「大暑」などなどが存在する二十四節気だが、この到来にはひとつの法則性がある。

地球の周りを回っている太陽の、見かけ上の通り道を“黄道”というが、この黄道上で、太陽と地球がいちばん遠くなる点、このときが昼(もしくは夜)がいちばん長くなる「夏至(冬至)」。対して、宇宙を球形と仮定した場合の“赤道”と黄道が交わる点(黄道は赤道に対して約23度北向きに傾いているので、交点が存在する)が、昼と夜の長さがほぼ同じになる「春分(秋分)」となる。
この春分の日の太陽の位置を“春分点”として黄経0度(黄道1周を360度としたものを“黄経”という)、対極の秋分点を180度、さらにいちばん遠くなる夏至が90度、冬至が270度となる。これらを通って太陽は地球の周りを一周するので、この360度の合間に二十四節気が存在するわけだ。
一周の360度の中に存在する二十四節気。これ、単純に360度を24で割ると出る15度から、二十四節気は黄経15度ごとに必ず巡ってくるのだ。

例として春分から夏至まで90度では、0度の「春分」、15度の「清明」、30度の「穀雨」、45度の「立夏」、60度の「小満」、75度の「芒種」、そして90度の「夏至」となる。日の長さが同じからいちばん長くなるという気候の変化を等分して設定してあるわけで、この二十四節気、生活をしていく上での暑い寒いや雨が降るとか降らないという印象の話だけではない。むしろ合理的な設定なのである。

※次回は5月6日の掲載です