ランナウェイズ


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当時、まだロックが男だけのモノだった時代。平均年齢わずか16歳の少女たちが敏腕プロデューサーに見い出され、スター街道に昇りつめ、そしてその頂上から落ちる様を、実話に基づいて描いたのが本作だ。


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1975年、ロサンゼルス。まるで少年のような出で立ちのジョーン・ジェット(クリステン・スチュワート)は、偶然にも有名プロデューサーのキム・フォーリーと出会う。次のビジネスチャンスとして10代の女の子だけのロックバンド結成を念頭に置いていた彼は、ジョーンをメンバーに据える。一方、シェリー・カーリー(ダコタ・ファニング)は好きな音楽を共有できる友達もおらず、双子の妹とばかりつるんでいた。寂しさを紛らわすため、夜な夜なクラブへと通う彼女だったが……。

トワイライト』シリーズで吸血鬼に憧れる少女を演じ、その人気を不動のものにしたクリステン・スチュワートと、そして同シリーズが大ヒットとなったところへ少女の敵方となる吸血鬼として現れたダコタ・ファニング。彼女たちが本作では同じバンドのメンバーとして、それぞれの異なる個性をぶつけあう。『トワイライト』シリーズではしおらしい女の子だったクリステンが、本作では別人かのようなルックスでギターをかき鳴らし、ロッカーならではのヤバイ言葉を連発する。同作でクリステンを苛めていたダコタはクリステンを慕い、二人は仲良し。そして安達祐実ですら年がたつにつれ大人のオンナになったように、ダコタのそんなアレな姿もスクリーンで(ちらっとだけ)披露される。『トワイライト』シリーズを引き合いに出すつもりはまったくないのだが、だがしかしこのキャスティング。つもりはなくとも、どうしてもあのシリーズと比べてしまう。まぁ、そのほうが話題性も出るだろうし、製作側としては想定内でのこと……いや、むしろ意図的にそうしたのか、私はまんまと釣られたのか。


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クリステンは「弾いてるフリはすぐわかる。きっとマヌケに見える」と、ボイスレッスンのほかにギターも学び、全12曲をマスターした。その伸びと、そして愛すべき癖がありながらもハスキーかつ透き通った歌声は必聴。そしてダコタの過激なコスチュームも、だ。

本作タイトルは当のそのバンド名。ロックのえげつない裏側を存分に見せつけ、彼女たちやその音楽を知らずとも、存分に楽しめる内容だ。結局、音楽を愛した者しか音楽から愛されない……ラストシーンが物語る因果の理法は、何かを目指してモノ作りをしているすべての人々の心に突き刺さるだろう。

ランナウェイズ(DVD)
監督:フローリア・シジスモンティ
脚本:フローリア・シジスモンティ
出演:クリステン・スチュワート/ダコタ・ファニング/マイケル・シャノン
配給:クロックワークス
ジャンル:洋画
公式サイト:http://www.runaways.jp/

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