あの『ダ・ヴィンチ・コード』から3年。トム・ハンクス扮するラングドン教授がまたスクリーンで謎を解き明かしていく。今度の新たなる敵は、“科学”だ。
ヴァチカンへの復讐のため、400年の沈黙を破り復活した秘密結社イルミナティ。17世紀当時、カトリック教会の総本山からの弾圧を逃れるために、ガリレオ・ガリレイを中心とする科学者が結成した秘密結社だ。彼らは4人の教皇候補を誘拐し、惨殺すると予告。この恐ろしい計画を阻止するため、ヴァチカンはラングドン教授(トム・ハンクス)に協力を要請する。ガリレオがローマの名所に隠したイルミナティにつながる暗号を解き進む教授。しかし、すでにヴァチカン崩壊へのカウントダウンは始まっていた…。
「それでも地球は回っている」と地動説を唱え有罪となり、幽閉されたまま死を迎えたガリレオ。太古の昔から、宗教と科学は対立するものとして捉えられてきた。だが果たしてそれは真実だろうか? 科学が“進んだ”現代、宇宙が成り立つには「神」の存在を仮定しなければその説明がつかないという。宇宙を創ったその“意志”を神と呼ぶかどうかは別として、科学が進歩すればするほど、この世界の成り立ちが解明されればされるほど、逆に科学は宗教に近づくのではないか? 宗教は科学を内包しているのではないか?
また、公開前から「物議を醸す」として話題になっている本作だが、キリスト教国ではない日本としては、実際に本作を観てキリストの生誕について論議を交わすというよりも、アメリカやイギリスなどのキリスト教国での騒動を遠目に見るといった感じだろう。何がそんなに物議を醸すのかの議題自体はわかるが、だからといってそれがどうした?といった感じではないか。悲しいかな、無宗教といわれるこの国では。
とはいえ、エンタメ作としては相当の出来となっている本作。どんでん返しにどんでん返しを重ねる本作は、前作同様にずっとハラハラされられっぱなしだ。今回のキーマンとなるユアン・マクレガーの存在も素晴らしい。劇場でご覧いただいても決して損はない作品だ。原作とあわせてお楽しみいただきたい。
(ときにユアンって、声がベッカムやらミッキーマウスに似てなくね?)
天使と悪魔 スペシャル・エディション(Blu-ray)
トム・ハンクス来日記者会見!
原作:ダン・ブラウン
監督:ロン・ハワード
脚本:キヴァ・ゴールズマン/デヴィッド・コープ
出演:トム・ハンクス /ユアン・マクレガー /アイェレット・ゾラー/ステラン・スカルスガルド
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ジャンル:洋画
公式サイト:http://bd-dvd.sonypictures.jp/angelsanddemons/