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<夢見る器>


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つくづくお料理が出来たらと思ってしまいました。手を動かして色々とつくる私ですが、なぜか料理はしない。そんな事堂々と書けた事ではありませんが。時間が無いと言うと言い訳になるかナ。食べる事には興味深々なのですが。本当はやればきっと好きだと思う…、なんてまた言い訳。こういう思いはたまに持ち上がる。今回もまた。

以前から気にしていた焼き物の展示がありました。伊集院真理子さんの作り出す作品は力強い。一見アートしているようだが、使い手の側に立った親切過ぎるほどの試行錯誤。使うモノだからとさかん言う伊集院さんご本人そのものだ。私の“着けてナンボ”と同じネ。ものを作り出す人には、作品とその人が一致する人としない人がいます。なるほどと納得したり、一瞬言葉を失うほど驚いたりしたことも。伊集院さんの場合、一見はちょっと違うかな?小柄で繊細に感じます。でも次の瞬間それは覆えされる。パワフルで脳天から全力疾走しているような…。多分その両方が同居している方なのでしょう。

伊集院さんの作品で特筆すべきなのは土鍋です。力強いディテールと藪椿やプリミティブな模様が躍る土鍋は、ひたすら美味しく楽しく食べたい思いが形になったものでしょう。様々な料理や調理法が一緒に提案されています。これで作ったキャベツのポトフ、蒸し野菜、湯豆腐だっていいナ。料理の出来ない私でさえ夢見る位ですから、日頃キッチンに立つ方はどんなにか…! 日常の調理や食事がイベントになる土鍋です。

今回はいつもお世話になっているikedaさま宅での開催。誘われるまま、最終日の夕方にのこのこ登場してしっかりお疲れさま会にも参加。伊集院さんの作品を五感で味わってきました。あー、満足満足。