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<くっついているもの>


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”ねぇ、ブローチってどう思う?”michikoさんから電話が来た。お、これは一時間コース。michikoさんの電話は長い。と言うか私の電話が長いのか、とにかく二人はおしゃべり。その上相手がしゃべり終わるのを待てない。待っているといつまでたっても自分の意見が言えない。一瞬のスキをついてツッコミを入れる。それでも構わずしゃべる。負けじとツッコミをやめない。次の一瞬、沈黙。”それで”とか”どうぞ”などとちょっとは気を使ったりして、一応相手の話は聞いているのだ。ただ話が面白いものだから相槌やら意見やらを話したくてしょうがなくなる。遠慮しているとなかなか話させてもらえないので、HOTなうちに伝えようと無理やりねじ込む。そうこうしているうちに話はどんどんそれて、何の話だっけ? でも必ず元の話に戻ってくるところが私たちの律儀なところかも。

今日のお題はブローチってどう?
michikoさんは無類のアクセサリー好き。使い方もうまい。ご自分をよく知っていて瞬時に判断するので、見ていて気持ちが良い。何に合わせよう、とか使えるかしら、なんてことも頭の中では計算されているのでしょうが、それより何より”好きかどうか。ただそれだけよ”と言い切る潔さ。

そう、好きなら必ず似合うはず。アクセサリーなんてそれだけしか身に付けていない、なんて事は無いのだから工夫の仕様はいくらでもあって、そこが面白いのだと思う。何度も言いますが、こんなモン無くたって死にはしません。生き物として生きる為には必要なものではないのです。だったらこれは”あそび”の一種。楽しんだ者勝ちです。

アクセサリーにも色々あるがブローチと言うアイテム名は確かにちょっとピンと来ないかも。でもブローチ以外に当てはまる名前が無い。コサージュやピン、バッジ等もこれに近いが少しづつずれていて、それぞれ特定なものを指している。

このブローチに、実はこの頃注目しているのだ。とりあえず何かしらで服とかに”くっついているもの”をブローチと私は決めている。だから時々”これは何”と聞かれて”ネックレスとかじゃないし一応ブローチです”等と答えている。

ブローチと聞くと金物にガラスやパールや石がついたりしている、コートやジャケットの襟につけるものをイメージしてしまう。半端にクラシックだ。私が思うブローチはもっと自由で良い気がしている。とりあえず”くっついている”のがブローチなので、実は最も自由でアートも出来るアイテムではないだろうか。体型や汗の心配もなく楽しめる。つける位置も自由なので装い全体のバランスを調整する。ただ服装との合わせ方でいかようにもなるので、ここで知恵を絞る必要があるかも。頭を柔らかくして大胆に楽しみたい。
 
考えてみると意外と私の作品にはブローチがある。生地をミルフィーユの様に重ねチュールでふくらませたシリーズ、ポケットの形をしたもの、白糸の滝のように細かいチェーンを長く長く垂らしたもの、ボタンホールにつけるものや、チュールに光物を刺繍したタトゥーシリーズ、イソギンチャクみたいなアートしたもの・・・色々思い出して来た。これらはよく案内状に登場している。インパクトがあるのでフォトジェニックなコたちなのだ。
 
michikoさんはアクセサリーの中で最もブローチが好きなのだそうだ。ハイ、一時間過ぎました。続きはまたいつか・・・