トップページ >  連載 >  これが Momi Style

<前を向いて>

momi_vol.255_01.jpg 今季最後のイベント、広島が終わりました。
いつも変わりなく両手を広げて迎えてくれる広島。
7日間、広島の街を歩き回り、食べて飲んで、出会い、そして別れ、モチロンお仕事をしましたよ。
再会は嬉しくて、あ〜〜♪ と笑顔いっぱいになりますが、あっと言う間に時間は過ぎて後ろ姿をお見送りする時が来ます。
この10年ほど同じように広島を訪れ、同じように再会しているようで少しづつ、或いは時にガラリと変わることもあるのです。

momi_vol.255_02.jpg 最初の時からずっと通い続けているお好み焼きの源蔵さんがお店を閉じられたのを、イベント半ばで知りました。普通ではない電話メッセージから、翌日には 現在使われておりません、に…。
慌てて飛んで行くとお店はもぬけの殻。開け放たれた冷蔵庫が哀しく、壁一面に貼られていた野球選手の写真もキレイに無くなっていました。
あんなに美味しくて賑わっていた源蔵さんなのにどうした事なのでしょう?
病から復帰して以来、みるみるふっくらして肌艶も良くなりこんなに変わるものなのかと驚いていたのですが…。
源蔵さんの様なお好み屋さんはなかなか無いと思います。
思いますが、また新しいお好み屋さんを探さないと…ね。

momi_vol.255_03.jpg あまり何回も行っていませんでしたが、窓 と言うBar。
yasuiさんが連れて行って下さるお店の一軒ですが、近く閉店と聞き訪ねました。
マスターは70代ですがいつも蝶ネクタイ姿で静かな佇まい。
ドアには小さな窓。よくよく見ないと通り過ごしてしまいます。
なんとこのお店を守って50年だそうです。ずっと1人で50年。
身内の人間関係が一番シンドイし、従業員が居たら、その家族も背負う事になるから1人が良い…そう。

momi_vol.255_04.jpg 落花生ってどう生っているのか? なんて話題にもびっくりする様な詳し〜いお答え。
花が咲いた後垂れ下がってきて遂に土に潜るので、茎の脇に畝を作っておいて…云々。だから落花生!
なんて知ってましたか?
私は土の中で実が生るのは知っていました。と言うのは、地中の殻の中で魔女が イヒヒッと笑っている絵を小さい時に見たのが頭に残っていてね。
こんな調子の博学な会話に、今のカッコイイだけのBarとは一線を画する文化の担い手としての姿を見たのでした。
子供も成長した今では純粋にこの仕事を楽しんで、毎日 "今日はどんな出会いがあるのか" を楽しみに立ち続けているそうです。
"良い人生を送らせていただきました"
こう淡々と語るマスターは持病が芳しくなく、来年 店に幕を引かれます。
きっと最後の1日まで、50年間立ち続けて来たカウンターの中に淡々と立ってらっしゃるのでしょう。

momi_vol.255_05.jpg "食い倒れツアー"なんて冗談めかして言っている広島のイベントですが、お仕事も美味しいものも、心の支えもみ〜んなみんな沢山の方々の支えの上にあります。
その方たちが、私が広島に居ても居なくても 生活を営み、葛藤し、喜びを見出し、広島に存在している。
そう思うと、どうしても天空の城ラピュタ のあるシーンを思い出してしまいます。
そして今回、偶然にも何人かの方たちから原爆のことをお聞きしました。
この町を、受け入れざるを得ない悲しみが
いつか、何かが起こりお会いできなくなる時も来るでしょう。
でもシャーリーさんの様に、お別れの時は後ろを振り返らずに行きましょう。
何時もは私がお見送りするのですが、シャーリーさんとは今回 外でさよならしたので私が見送られました。
振り返りたいのを堪えて歩き続けます。振り返ったら辛くなりますからね。

さあて、今年前半のイベントが終了しました。
少しだけ息を抜いて、また歩き出します。

『ライン――えんどうもみ展』の様子はこちら
松屋銀座2013 Autumn Collectionの様子はこちら
MAD Tea Party ダンス・ダンス・ダンスの様子はこちら

松屋銀座2013 Spring Collectionの様子はこちら

momi2012 in Wa2の様子はこちら
チャリティーサロンTRINITYの様子はこちら
松屋銀座2012 Autumn Collectionの様子はこちら
松屋銀座 2012S/S Collectionの様子はこちら
ギャルリー ワッツ『えんどうもみ展』の様子はこちら
Gallery O2『えんどうもみ新作展』の様子はこちら
松屋銀座 2011 A/W Collectionジュエリーフォーラムの様子はこちら
前回の企画展『盛装ピクニック』の様子はこちら
松屋銀座イベント取材風景はこちら