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<月によせて>

vol162_01.jpg "月によせて"
は、はーん。随分なりきりのテーマじゃありません?
いえ、ロマンチックというのですかね。
秋の始まりは妙にロマンチックになります。
虫の音や、早くなった夕暮れ、月の美しさ等々心に響く何かに誘われ、ついでに自分も美人になった様な錯覚に・・・。
これって日本人特有の感覚なのでしょうか?
月に特別思い入れがあった訳ではないのですが、この頃何となく気になるのです。
そろそろ帰る時が近づいた?いえいえ、月を見て泣いたりはしていません。
暗い中にあって燦然と輝き、その鋭い光で地上を差し通す刃物の様な強さ。
或いはじんわりと天空に滲み、絵の様にかかる月。
取り囲む雲を映し出し、劇的な玉座にある月。
月は優しく強く、その姿を直視することを許してくれる。

ふと気付くと私のつくったものいは丸、或いは丸に近いものが多い。
別に月を意識してつくったものではないが、月だと思ってみると月に見えてくる。
それは自己満足でしかないかもしれないが。

vol162_02.jpg 少し月について調べてみたら、いわゆる三日月や、十五夜の様に暦になっている他にところどころ風流な名前がついている。
それが、待宵月(まつよいづき)、立待月(たちまちづき)等々待つという字がついている。
すべて"月見"の視点からつけられていて、何とも日本人の感性を現わすネーミングだと感心してしまった。
山の端に出る月を待つのにどの位待つかをウィットに豊んだ表現で現わし、1日1日遅くなる月の出をそれでも待つ昔の人々の優雅に羨望の眼差し。
こんなにアタフタと忙しい現代では感性なんてとても養われないのではと心配になる。

9月17日からのギャラリー・オーツーでの個展ではそんな"月"に思いを馳せつつ、ゆっくりと時を過ごしていただけたらと思っています。
オーナーのご自宅である古くてモダンなギャラリーは、外の空気と繋がった和の空間です。
外気の気持ち良いこの季節、夜空を見上げるようにゆっくり眺めにいらっしゃいませんか。
(今回は同時にブローチに注目。以前から好きなアイテムでしたがね。
ブローチへの想いは2009・10・12"くっついているもの"を覗いて下さいませ。)

—– イベントのお知らせ —–

えんどう もみ 新作展
ギャラリーO2

9月17日(土)−24日(土)
12:00〜18:00 会期中無休
17、18日在廊
大田区南馬込4-9-1
03-5709-1050

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