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<Herkimer DIAMOND !>

momi216_0001@.jpg この石との出会いはいつの事だっただろう。NY州 ハーキマーで採れるクォーツというものは、かなりナチュラル感ある石として記憶がある。星と呼ばれる黒い点(炭素)が多数散らばる何となく惹かれる石だった。その時はちょこっと使ってみてそれっきり。
その後、"ハーキマー ダイヤモンド" と言う名前を聞いた時、それは何なのだろう?ダイヤモンド? しかしその石はダイヤモンドのお値段ではない。 正体はクォーツ。しかし只者ではない。正確にはNY州 ハーキマーで産出する物のみを指す。石の多い荒地だそうだが、その石の中にコロリと存在している。とても浅い所にあるのである意味誰でも探せる。
レジャーにもなっているそうで、掘ったものを買い取ってもらったり、何やらネイティブなアクセサリーやお守り的な物に加工したりもするらしい。その辺りはげんなり。最近は掘り尽くした感があり、特に大きくて綺麗な物は滅多と出てこない。大きくなるにつれ、濁ってしまう性質もある。
この石の不思議は誰も手を加えないのに綺麗に磨き上げられたかの様な姿で出てくるところ。しかもその表面の照り輝きはただツルツルなのではなく自然に出来た氷の様な、独特の魅力に満ちている。

momi216_0002@@.jpg 透明度の高いものは、裏側の面に反射した光が鏡の様に表側に突き抜けて来る。
その光が硬質であまりに美しいので"ダイヤモンドの様" と思われ、この様なややこしい名前をいただいたのだろう。間違えないように ダイヤモンド クォーツ と呼ぶ人もいる。また、ハーキマー以外にもこれと酷似したものが採れる所もあるので、それも含めてハーキマー ダイヤモンドと呼ぶ考えもある。ま、この辺は鑑定士ではない私としてはそんなに気にしていない。
ただ、この石が非常にカッコよくて美しく、類稀な存在である事、その存在自体に浪漫を感じるという事。それを "どうする?" という事が大事なのである。

ハーキマー、ハーキマーと騒いでいたらハーキマー ダイヤモンドが少しずつ手元に集まって来た。クリアーなもの、スモーキーも魅力がある。シャンパンと呼ばれる色は石好きのコレクターに人気だそうだ。
そして先日、ある出会いからとびっきりの物が手元に来た。これは一粒勝負! ヘビーなチェーンと合わせ、クールなネックレスに。不必要な長さのあるネックレス。一粒ついているので本当はペンダントと呼ぶべきなのだろうが、チェーンも主役なので私の中ではネックレス。チェーンが重いので石が好きな所で止まってくれる。

momi216_0003@.jpg 微妙なところなのだが、これはジュエリーからも少しはみ出している。要らない、ということもあるが留め金を付けていない。無愛想なつくりである。紐を引っ掛けた様な気分…? 付けてみると分かるかも。
これにするために石には穴を開けてもらった。ルースと呼ばれる一粒売りの比較的高価な石は無穴なので、好きな様に穴あけを頼める。穴の中もちゃんと磨いてもらう。透明度の高いものは穴が白く見えてしまうので。特に大きいのは穴の淵も面取り。こうやって丁寧に丁寧につくる。大切な石ですから。

momi216_0004@.jpg 反面、小さめのものや味のあるものはつくり込んだ形に。手と目を酷使したものとなる。過去にビーズでつくったお気に入りの形もハーキマーでつくると驚く様なずっしりの存在感。クリスタルガラスのキラキラとは全く違うハードでオトナな輝き。改めて惚れ込む。

ホンモノのダイヤモンドは勿論美しい。炎が燃える様に輝く。凍るような炎。
しかし、ハーキマーはダイヤモンドではないところがまた、カッコいい。ハードで品位があり、モードである。それ自体美しいのだか、私はネイティブなものにはしたくなかった。
今回の個展でこのハーキマー ダイヤモンドをテーマとしたが、素材をテーマにするのはパール以外は初めて。パールは裾野が広くバリエーション豊かで、パールを好きな方は多い。テーマとしては適しているのだが、ハーキマーはどうだろうか?私の独りよがりな惚れ込みで取り組むこととなったが、彼らに押し返されないよう、注意深く、ノリノリで行こう。

momi216_0005@.jpg ★イベント情報★
えんどうもみ 個展―ギャラリー&カフェ 布う
『Herkimer DIAMOND!――えんどうもみ展』

松屋銀座2013 Autumn Collectionの様子はこちら
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