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<作ること>
Art of GAMAN と言うのがあるそうです。日曜美術館で紹介されたので見た方も多いのではないでしょうか。私もその1人。初めて知りました。
そのArtist達の子孫でさえ近年まで知る事無く埋れて来た作品が、見出されて人々に驚きや感動深い思いを与えています。
第二次世界大戦下のアメリカにおいて、アメリカに忠誠を誓わなかった日系人達が収容された荒野のバラック。
何も無い中で必需品としてだけではなく、生活を彩るものとして、自らを飾り目を楽しませるものとして作り出された数々の物たち。それらを作る道具でさえ、自らの手で作らなくてはならない程の環境。
人間らしく生きる為に、日本にルーツを持った人間として…。様々な事が人々を作品作りに向かわせたのでしょう。
荷札の様な物に書かれた番号で識別され、呼ばれた人々。達筆な漢字を彫り込んで作った表札を堂々とバラックに掲げ、誕生日に贈り合ったり身に付けたブローチは小さな貝殻を寄せて作り、ガラスの破片を寄せて作ったサンドペーパーで磨き上げた木で杖を作り、心弱めた人に贈る。
沢山の想像と思いが交錯しますが、私が思うのは作ることはきっと楽しかったのではないか、ということです。
始めは必要だから、とかアイデンティティから来るものも多かったとは思います。理不尽なことに耐え難い思いから生まれて来たことも想像出来ます。先の見えない、命の保証の無い、全てに見放されたかの中でGamanという言葉がつけられたのにも納得できます。それらが近年まで人目に触れること無く、語られることも無く封印されて来たのですから。
しかし、ここまで精緻に作り込まれた作品を見ると、これはきっと作ることが楽しかったに違いないと感じます。作ることを強要されたわけではないのです。 ものを作るという事、生活を飾ったり、美しいものを身に付けることには喜びがあります。生き物として、息をして食べて寝るだけなら不必要なものです。人以外の動物にはないことだと思うと、人間らしさの極みなのではないでしょうか。
ものを作る時、ドキドキ感があり1人でニマニマ!なかなか旨くいかないことも多いですが、"行ける"と感じた途端ドキドキが走り、こういうのを アドレナリンが…と言うのでしょうか?
これを誰かの為にと作る時は尚更です。相手が喜んでくれたらと、色々想像しながら作る時、手間暇を惜しまずもっともっと!となります。絵本でも特定の子供の為に書かれたものに、傑作が多い気がするのですが。
前述のブローチ、元は海だったという砂漠に落ちている貝殻を巧みに組み合わせ、びっくりするようなアイデアと器用さ。そして何と愛らしいこと!初めて見る我々でも自然と笑みがこぼれるのですから、貰った人はどんなにか嬉しかったことでしょう。
震災の時、必要最低限の物さえ無い中で、ボランティアから帰る方が付けていた真珠のネックレスを外して "どうぞ" と言ったそうです。その時はは生活の役には立たないジュエリーですが、貰った方の喜びは大きく、綺麗なものに心が飢えていたことを思わされたことです。
私たちは人間です。
Art of Gaman は、尊厳の芸術 というタイトルで12/9まで東京芸術大学で展示され、その後各地をまわります。
友人が見に行って写真を撮って来て下さいましたので、ご紹介します。
–イベントのお知らせ–
えんどう もみ Christmas Collection
少年 de Dramatique
bijouxを身に纏えば 気分はドラマティック
Autumnテクスチャーに 煌きのパンチ
すまし顔の やんちゃLady
広島三越 2階 エスカレーター前特設会場
11月27日(火)−12月3日(月)
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